軽井沢の図書館をより良くするヒントが得られればと、小諸市の市民交流センター ステラホールにて開催された「図書館からはじめる まちづくり」に参加させて頂いた。

基調講演が1時間、その後90分のワークショップ。

基調講演はアカデミック・リソースガイド株式会社代表の岡本 真(まこと)氏。総務省地域情報化アドバイザー。以下、印象に残った話。

ネットで分かるのは8割。ネットで全てが分かるわけではない。

図書館は無料で利用でき、本は通常2週間借りることができる。つまり、2週間に一回繰り返し図書館に来てくれる。

商業施設では2週間に一回の来訪を目指し、キャンペーンを行っているが、図書館ではその必要がない。

繰り返し利用者が来てくれることで、図書館を中心とした町の賑わいが期待できる。

出典 : 令和元年9月17日 信濃毎日新聞の記事

名取市図書館(宮城県)、須賀川市民交流センターtette(テッテ)(福島県)、伊丹市立図書館(兵庫県)、西ノ島町コミュニティ図書館(島根県)、伊万里市民図書館(佐賀県)といった各地の成功例も紹介された。

成功例で共通しているのは、市民・町民を巻き込み、友の会、サポーターズクラブ等の名称で住民自治の精神が貫かれている点。図書館の運営は市民ボランティアが担っているケースも多い。特に伊万里市民図書館は市民協働のトップランナー。

成功への3つのキーワード

  • 地域への立脚(地元の人、中心)
  • 協働を超える自治(自分たちのことは自分たちのこととして解決する)
  • 「複合」から「融合」、「展開」へ

これらのことは松戸市の「すぐやる課」の、ある種、対極にある。「すぐやる課」の取り組みは素晴らしいが、行政コストが増加する。

これから向けて大切な3つ

  • チームとしての図書館運営
  • パートナーたる市民の当事者意識(オーナー意識)
  • 無関心層の「図書館リテラシー」向上

ワークションで出た興味深い話題

小諸図書館に隣接する市役所二階で実施されている4ヶ月検診で初めて図書館に来て、読み聞かせに参加するケースが多い。

一般の店で本が交換できると良い(追分区の夢文庫を紹介)

子どもが未来を作る。ふる里を守りたければ、年配の人には申し訳ないが、若い人優先の施策にするべきである。

小諸市では平成31年4月1日から小諸図書館の運営の一部を業務委託している。公募型プロポーザルを受付、審査の結果「特定非営利活動法人 本途人舎(ほんとひとしゃ)」が選ばれている。

また同図書館は現在、友の会制度発足に向けて進んでいる。

令和元年9月16日に開催されたこのイベントには20代の男女から70代まで幅の広い年齢層の人々が30人ほど集まった。参加者の多くは、友の会(仮称)の会員あるいは会員候補のようだった。

みなさんとても熱意をもって参加なさっていたのが印象に残った。今後もこのムーブメントに注意を払い、軽井沢に持ち帰れる良い点があれば参考にしたい。