軽井沢町議会令和5年12月定例会における福本の一般質問の内容です。後段にダイジェスト版があります。

福本
本日、私は、民泊及び貸別荘営業について一般質問いたします。

民泊施設周辺の住民から不満を訴える声が増しております。加えて、民泊や貸別荘事業を行うため、今後建築予定の土地も複数あり、不安を訴える声も多いことから伺います。

当町が定めた貸別荘の取扱基準には、貸別荘とは、なりわいとして、不特定の者に1か月以上の賃貸を行う戸建ての住宅をいうとあります。貸別荘を定義しておりますが、1か月未満の宿泊を行う貸別荘は認めないという意味でしょうか。

環境課長
議員がおっしゃるとおり、町では、1か月未満の宿泊を行う貸別荘は認めておりません。

福本
しかし、実際には、貸別荘として事実上の民泊を行っている事業者がおりますけれども、この点はどのようにお考えでしょう。

環境課長
先ほど申しましたとおり、町につきましては、1か月未満につきましては貸別荘としては認めておりませんし、これにつきましては、国のほうでも1か月未満、おおむね1か月未満というのが旅館業法に当たるかどうかという基準になっております。

福本
今、法律上のことでのご解説もあったわけですけれども、実際、法律ではこうだというものがあったとしても、営業実態として営業は行っているわけですね。その営業を認めないと町が言ったとしても、営業は実際にしているということから、貸別荘として営業しているもの、実際には民泊とも問題点が通じることから、これからの質問で民泊について伺っていきたいと思っております。

まず、町が定義する民泊とは何か伺います。

環境課長
町における民泊につきましては、旅館業法において認可され営業される簡易宿所のうち、旅館業法施行令の一部を改正する政令により床面積の規定が緩和されたことにより生じるもの及び住宅宿泊事業法により長野県に届出を行い、営業されるものとして、国の定義に準拠しております。

福本
住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法ですけれども、これに基づく町内事業者の届出件数は12件と承知しておりますが、今ご説明にあった旅館業法において認可され営業される簡易宿所のうち、旅館業法施行令の一部を改正する政令により床面積の規制が緩和されたことにより生じるものという定義に当てはまる民泊事業者の実数は把握していらっしゃいますか。

環境課長
実際、こちらにつきましては、旅館業法の一部改正ですけれども、こちらにつきましては、あくまでも簡易宿所という形になりますので、簡易宿所の中には民宿、それからペンションも含まれてしまいますので、町については、実数については把握しておりません。

福本
実数把握していらっしゃらないということですが、町の決まりとして民泊を定義しているんだけれども、その実数、実態は把握していらっしゃらないということですと、そもそもこの決まり自体、意味がないんじゃないかと思いますけれども、そのあたりどうお考えでしょうか。

環境課長
実際、営業しているかどうかの実数については把握していないという意味で答弁させていただきましたが、実際につきましては、恐らくこの法律が緩和されて出てきた部分、町のほうの手続条例に基づきます事前協議の中では、そうですね、令和4年度で8件、それから令和3年度では9件、令和2年度については12件という形で10件前後ありますが、実際、この届出したから実際営業しているかというのは、最終的には旅館業法の許可が必要ですので、そういった意味で、先ほどは、件数については把握していないというお答えをさせていただきましたが、実際は約10件前後の簡易宿所、恐らくこの旅館業法の緩和により、恐らく出てきたものについては、この件、10件前後という形で、一応の数字は把握はしております。

福本
今、事前協議の届出から把握した10件前後の事業者がいるんではないかということをお話しいただきましたけれども、そうすると、町が定義するこの民泊に、民泊は駄目だよという決まりに反する事業者が毎年10件程度いたということを、民泊新法ではなく、その法令の緩和に伴っての申請者ですけれども、毎年10件前後いたということは、町は認識していたということでよろしいですか。

環境課長
先ほど10件前後という形で申し上げましたが、そのぐらいの数と、まあ、この旅館業法緩和の部分かどうかというのは、実態、実際様々な形態、旅行、宿所事業については様々な形態があって、ある意味、組数、受け入れるお客様の数を限定して、質の高いサービスやっている事業所もいるかと思いますが、そういった形で、町のほうではこの件数を把握しているという形になっております。

福本
ちょっと分からないんですけれども、事前協議をしているということですよね。そして、それは、町が定義する民泊に該当するということが10件前後毎年あったという認識がなされていたというふうには理解しましたけれども、そもそも、でも、町の決まりに反しているわけだから、事前協議、町が受け付けるということはないんではないかと思いますが、そのあたりいかがでしょう。

環境課長
この簡易宿所について、国のほうの法律で、もう少し、例えば民宿とかペンションとか、そういった部分を切り分けていただければ、もっと違う形で制限はかけられると思いますが、あくまでも民宿、ペンションについても簡易宿所という形になっておりますので、民泊に近い部分も、何とも言えない部分なんですが、先ほど言いましたとおり、質の高いサービスをやっている可能性もありますので、うちのほうの手続条例的には受け付けない、あくまでも近隣の説明も求めながら、簡易宿所に適合して、あるいは旅館業法の許可を取る案件という形で届出が手続条例に基づくものが提出されれば、それに基づいた審査を行っている状況になっております。

福本
町内で簡易宿所の登録をしている事業者は385件あると認識しておりますけれども、そうすると、この規約というのは、いらないということでいいんですかね。事実上、あっても有名無実、何のチェック機能も果たしていないということでよろしいですか。

環境課長
こちらの民泊施設の取扱基準ですけれども、こちらにつきましては、民泊の関係の法律ができる前に、町のほうで決められたものですが、あくまでもうちのほうでは、簡易宿所と、一応、住宅宿泊事業法に基づきますものという形は、簡易宿所のほうが先ほど何回か答弁させていただいていますが、簡易宿所のほうがもう少し細かく細分化されれば、違う形でも制限かけられる部分も出てくるかと思いますが、この取扱基準、定めたものについては意味があるものというふうに感じております。

福本
重ねて伺っても、同じようなご答弁になってしまうかなと思われるので、もうこの件については質問しませんけれども、今のご答弁を聞いている限りにおいては、事実上、この旅館業法の緩和に伴う部分で、民泊を行っている事業者については、ノーチェックで民泊事業を行っている状況であるというように私には思えますけれども、そして、それが、今いろんな町で問題を引き起こしている事業者の大半なんじゃないかと思うんですが、後ほど質問でその点に触れたいと思います。
今、次に民泊施設等の取扱基準を当町が定めた目的をお伺いします。

環境課長
国では、平成27年以降、訪日外国人旅行者の急増により、都市部の一部で宿泊施設が不足し、ホテルや旅館に限らず、一般住宅等に有料で旅行者らを宿泊させる民泊につきまして規制緩和に動き出しております。
別荘が薫る軽井沢町におきましては、良好な環境の保持と善良なる風俗の維持を最優先させるため、不特定多数による利用や風紀を乱すおそれがあること、あるいは将来にわたって善良な風俗を維持する観点から、法改正等による民泊施設等の運用開始に先立ちまして、何回か福本議員から出ておりますけれども、民泊施設等の取扱基準を定めたものでございます。
いずれにしましても、軽井沢のよき環境を保つため、この民泊施設の取扱基準を定めたものというふうになっております。

福本
この目的は適切だろうと考えます。

しかし、町が定める民泊の定義を外れているけれども、事実上、民泊を行っている事業者が多数おります。また、先ほどのご答弁いただきました町が定義する民泊の中の旅館業法の緩和に伴っての事業者の中にも、民泊を行っている事業者が多数おりますので、町が決まりを定めた目的が達成されていない状況であろうかと考えておりますこれについては、後ほど質問します。

議長(遠山隆雄君)
ここで、発言を求められておりますので、これを許可します。

環境課長。
先ほどの福本議員の一般質問、2点目に関わる部分の、町の民泊の定義に関係しまして補足部分を加えさせていただきます。

民泊の定義と、あと簡易宿所に関する手続条例の件数に関した補足となります。先ほど、答弁の中で、旅館業法施行令の一部を改正する政令により床面積の規定が緩和された、この緩和された部分ですけれども、従前につきましては33平方メートル以上、これが簡易宿所の要件だったんですが、これが緩和されたのが、10人未満のときは3.3平方メートル掛ける人数というのが、ここが、面積要件が緩和になっております。

この緩和になったもので、この手続条例に関します、年10件ほどのものを受けているんですが、この緩和になったものに該当するものにつきましては、町のほうでは手続条例は受けていないということを補足で追加させていただきます。

福本
民泊について、国土交通省のホームページにはこう書かれています。

「民泊」についての法令上の明確な定義はありませんが、住宅、戸建て住宅やマンションなどの共同住宅等の全部または一部を活用して、旅行者等に宿泊サービスを提供することを指して、「民泊」ということが一般的です。

これが一般の住民が民泊という言葉から想起するサービスであろうかと思います。

つまり、町が定義した民泊以外にも、一般の住民が民泊から想起するサービスを提供する宿泊事業者、つまり、事実上の民泊事業者が多数存在するという実態がありますが、町は把握していらっしゃいますか。

環境課長
先ほどの幾つかの中でも民泊の定義等も申し上げましたが、民泊以外の民泊から想起するサービスを提供する宿泊事業者については、町のほうでは把握はしておりません。

福本
トラブルを引き起こしている事実上の民泊事業者は、国際親善文化観光都市及び保健休養地としてのまちづくりに反し、善良なる風俗の維持と良好な自然環境の保全に挑戦している存在とも言えますが、そのことについて、町はどのようにお考えなのか。

また、住民からの苦情が寄せられた場合の対応を伺います。

環境課長
民泊に関しましての経緯を含めまして、答弁をさせていただきたいと思います。

旅館業法及び住宅宿泊事業法の法令等の改正を受けて、長野県が制定しました長野県住宅宿泊事業の適正な実施に関する条例による民泊施設等の運用開始に先立ちまして、当町におきましては、民泊施設等の取扱いの基準を定めて、以降、貸別荘を除く民泊施設は町全域において認めないという姿勢を一貫しております。

また、長野県の条例制定に伴い、意見聴取が行われました。町は、この意見聴取以前から、規制に係る区域を町内全域とし、規制に係る期間を全ての期間、ゼロ日とするよう強く要望してまいりました。

町議会からも、平成29年12月には、知事宛てに同内容の意見書を提出いただきました。

しかしながら、この要望は受け入れられず、現在の県条例及び規則のとおりの区域、期間であれば、民泊ができてしまう状態となっております。

住民から苦情が寄せられた際、住宅宿泊事業法に基づく届出の窓口である長野県へ情報提供いたしまして、指導を要請するとともに、町としましては、直接的に民事間のトラブルには関与いたしませんが、当事者間でのトラブル解消を促すとともに、状況によりましては、町の町民法律相談への案内等を行っている状況です。
以上です。

福本
少し話がかみ合わない点があるなと感じているんですけれども、その主な原因は、町が民泊というのを定義している、それが民泊だというお立場なわけですけれども、営業実態としては、町が定義する民泊事業者と、事実上の民泊自営業を行っているんだけれども、町の定義には当てはまらない、先ほども申しましたけれども、一般の人が民泊と聞いて想起するようなサービスを提供している事業者が多数いるということがあるけれども、そこにちょっと目を背けていらっしゃるんじゃないかなというような印象を受けました。

また、それらに苦情が来た場合の対応を県に依頼するというようなご発言もありましたけれども、県が対応できるのは、いわゆる民泊新法で登録している事業者に関しては指導ができるという立場にありますけれども、先ほどから繰り返し申しているような事実上の民泊事業者、つまり民泊新法下の登録はしていないんだけれども、簡易宿泊所で登録をしていて、事業実態は民泊だという事業者に関しては、県にも問い合わせたけれども、その騒音等のトラブルの解決に関しては、自治体にお願いしているという立場でした。そのあたりはどうですか。

つまり、そのあたりというのはクレーム処理は県に一任、あるいは民事だから当事者間でということですけれども、実際に町民間での騒音とか、あるいはごみをベランダから隣地の民有地に投げ入れるというようなケースも確認されておりますけれども、そのようなものに関しても、町は一切指導をしないというようなお立場なんでしょうか。

環境課長
民泊新法に、民泊の関係の法律に当たらないものにつきましては、旅館業法の関係にも影響してきますので、旅館業法につきましても、県知事がそれなりの権限を持っておりますので、当然、県のほうでも指導、あるいは勧告というものが発することは可能になっております。

また、民事間のトラブル、全く町のほうでやらないかというと、例えば、先ほど福本議員がおっしゃいましたごみの関係だとか、そういったものについては、町が一切やらないではなく、当然、町のほうも指導をやりますが、最終的には、一番権限を持っている県のほうにもお願いしつつ、当然、民事間につきましては直接的には関与いたしませんけれども、当事者間で解決というのはありますけれども、町のほうで指導すべき事項につきましては、町のほうでも指導をやっている状況は実際にはあります。

福本
今、町のほうでも指導をやっている状況があるというご発言がありました

環境課長
苦情の定義というのが、どこまで捉えて苦情というのが、ちょっと定義的に難しいですので、町のほうでは、件数把握したものは現在ございません。

福本
私自身、クレームを受けて、こういうクレームがありましたということで町に報告したことがありますけれども、そういったものもカウントされていないんでしょうか。

環境課長
答弁自体につきましては、先ほどのとおり、クレームのどこまで捉えてトラブルと、あるいはクレームと捉える部分がちょっと定義が曖昧ですので、現在、私のほうでは数値については把握はしておりません。

福本
クレーム把握していないにしろ、クレームは実際にあるんです。町にもクレームを入れているというようなことを聞いているけれども、それが苦情として処理されていない実態があるんではないかなというふうに思いました。

そのクレームのレベル云々というお話もありました。明確な線引きというのは難しいかもしれませんけれども、警察沙汰になるような案件も把握しています。警察が来てのことで、町もそれは耳にしているということもあるんですが、そういうものも含めて、苦情は把握していないというのは、あった認識がないということですけれども、それどうなんですかね。

環境課長
どこまでが苦情かというのも、定義的にはちょっと若干曖昧になって、ちょっとした注意で済むものを苦情と捉えるかという部分もあるかと思います。

そういった意味で、先ほどについては、クレーム把握していないという、大きなトラブル部分ではないというふうな答弁だったんですけれども、ちょっとお答えになっているかどうかなんですが、大きなもの、小さなもの、あるかと思いますが、そういった意味で、トラブルの範囲が、あるいはクレームの範囲が曖昧なのでという答えで、把握していないというお答えしましたが、当然、この住宅宿泊に関するもの以外、様々な案件があると思います。そういったものを、これに、住宅宿泊事業法あるいは簡易宿所、あるいは住民の皆さんが民泊と捉えている部分もあるかと思いますけれども、どこまで捉えてこれに関するものという形で、これに限ったという形でクレーム把握というものはしていないという形になります。

福本
そういうご認識が今、町の安全・安心な生活を脅かしているのにつながっているのかなと思って、ちょっと遺憾な気持ちで今のご発言伺いました。

まあ、レベルによって云々というお話ありましたけれども警察沙汰になるようなものも苦情に入らないというご発言ですよね。

ちょっとそのあたり、もう少し真摯に、その苦情というのは、ある程度、ある種、悲鳴みたいなもので、第三者が聞いたら、まあ、文句言っているなともしかしたら捉えるかもしれないけれども、そこに住んでいる住民からすると、非常に大きな生活上の不安要素になってきます。

特に、民泊施設など、1棟貸しの場合は、よく皆さんでバーベキューやったり、花火やったり、それ自体が悪いとは言わないけれども、住宅地の中で花火をやる。花火やっている方からすれば、1年で1回の行事かもしれないけれども、毎日隣地で花火上げられて、キャーキャー騒がれたら、ちょっと生活上、精神の安定にも欠くような事態になりかねないようなものであるにもかかわらず、この苦情をちょっと軽視しているんじゃないかなというイメージを受けましたので、そのあたりもう少し検討をしていただけたらと思いますが、いかがでしょう。

環境課長
そうですね、福本議員が今出ました花火だとか大騒ぎ、そういったものの関係ですけれども、町のほうでは善良なる風俗を維持するための要綱というのがありまして、この住宅宿泊事業にかかわらず、ほかの場所で騒いでいるとか、そういったものに関しまして、誰、何人も夜間、夜間は午後9時から翌日の午前6時までですけれども、静音を損なうような行為をし、またはさせないものというものが風俗を維持するための要綱に記載をしております。

これが守られていないというのは、町側も、もっと周知不足というものあるのかなとは思いますけれども、こういったものも広報等でお知らせし、軽井沢町はこういう独特な要綱があるんだということも周知しながら、住宅地、そういった周りの住民の皆さん、不安要素になる部分あると思いますので、こういった形で、何とか軽井沢独特の静養の保持というのを保持をさせていただきたいというふうに考えております。

先ほど、福本議員のほうから、住民の悲鳴とか、そういうお話をいただきましたので、当然、住民の不安になるようなことは取り除いていかなければならないと思います。

そういった意味も込めまして、今までも、件数自体は抑えてはおりませんけれども、当然、住民の皆さんから何かあった際には、当然、町のほうも対応しておりますし、そういったものについては、今後も真摯に対応していくようやっていきたいと思っております。

福本
今、苦情に対する対応も行ってきたというご発言がありましたけれども、苦情を把握していないと先ほどおっしゃったことと相反するんじゃないんですか。

これは答弁結構です。いずれにしろ、苦情については今、対応していくというご決意を伺いましたので、そのようにご対応をしていただければと思います。

トラブル絡みで、警察に直接苦情を言って、町には言わないというケースもあろうかと思いますけれども、警察との連携とか情報共有はどのように行われているんでしょうか。

環境課長
民泊施設と捉えさせていただきますけれども、そういったトラブルに関しましては、警察に訴えられたケースにつきましては、警察からの情報提供は現在のところございません。そういった形で警察からないものについては、対応してはいないんですが、多分これに関しましては、旅館業法における営業の許可の取消しあるいは営業の停止及び住宅宿泊事業法における業務改善命令等については、法律上、県知事の権限となりますので、警察側で情報提供が必要と判断した案件につきましては、長野県の担当部局に情報提供を行っているものと推察されます。

この関係につきましては、うちのほうでもこれについて現在はないんですが、先ほども関係しますけれども、町が、あった際には、当然現場の確認等は実施をいたすところでございます。

福本
警察との情報共有については、町は行っていないけれども、警察の判断によって、許認可の取消しの権限を持つ県に連絡していると推察されるというご答弁でしたけれども、その推察の意味をちょっとご解説いただけますか。

つまり、それは一般常識として普通やるものだから、わざわざ確認するまでもなく確認はしていない。でも、確実かどうか分からないから一応推察という、事実上通報するんだよという意味でおっしゃったのか、あるいは本当に、そうなんじゃないかなみたいな気持ちでの推察なのか。

つまり、通告にしっかり明記してある内容なので、前者ならば、一般常識的に通報するシステムが事実上成り立っているということだったら分かるんですけれども、後者のほうだったら、ちょっとご調査が不足かなという印象を受けますが。

環境課長
推察という部分ですけれども、町では特に、これを管轄するのは保健所の関係になりますけれども、保健所から何かありますかというのは、特に保健所側から情報提供もないので、今回、答弁に際しましては推察という形でご答弁させていただきました。

もう一度答弁させていただきますが、推察の部分ですけれども、警察側からは多分保健所に、必要なものについてはやっているということをうちのほうは考えてはいるんですが、実際、保健所のほうに確認したとか、そういったものがありませんので、今回、この答弁に際しましては推察という言葉を使わせていただきました。

福本
すみません、質問に対するご答弁をいただいていないので、もう一度伺いますけれども、その推察というのは、先ほど2パターンの推察の使い方みたいなのを申しました。ちょっと曖昧な定義であれなんですけれども。

社会慣習上、通常こうなるというようなことはあると思います。そういったことで、ただ、社会通念上、通常そうなるけれども、確実に自分がやるわけでもないし、それが担保されたわけではないので、推察という表現を使ったのか。 つまり、警察が県内の保健所なりに連絡をしているかどうかの行為についてなんですけれども、警察は警察だけで取り締まって、以上、という状況だったら、営業取消し云々などという悪質な事業者がいたとしても、そういったことにはつながらないですよね。警察が通報して、町にも連絡がないわけだから、警察が保健所なりに連絡をして、初めて営業許可の取消しなどがあり得るわけです。

ですから、警察が保健所なり県なりに通報をするかどうかというのは、結構大切だと思うんです。その意味で伺っているんですけれども、通報するかどうかというのが、事実上通報するものなのか。そういうシステムなんだけれども、ご自身で通報するわけではないから、一応推察という、100パーセントではないから推察とつかったけれども、事実上、そういう流れがあるんだよという意味で推察という表現をお使いになったのか、あるいは、全くそういう通報するか否かというのは知識をお持ちでなく、連絡するんじゃないかなというような想像を基に、推察という言葉を使ったのか、どちらなのかということを伺っております。

環境課長
この件については、福本議員が初めにおっしゃった前者の内容になります。これについては確認をしておりません。

福本
は改めて申しますけれども、民泊あるいは事実上の民泊事業者によって、日々の安全・安心な暮らしが脅かされている住民がおりますし、また、今後も民泊施設が増えてくる状況だと私は思っておりますので、そういった状況が、住民の方の不安を取り除くために資することを目的に質問をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

トラブル防止のためにはトラブルが発生した後の、先ほど町も対応しているというようなご発言もありましたけれども、その指導、恐らく管理事業者に行っていらっしゃるのかなと思うんですけれども、管理事業者のみならず、多くの場合、別に物件の所有者がおりますので、物件の所有者にも行うと、その所有者がそういう町からの連絡を受けて、実際の実務を担う管理事業者に、ちゃんとやれよというふうな連絡をしてくれることが想定されますので、効果ありますね。指定管理者にとって、物件所有者はお客さんなので。そういう意味で、トラブル発生後の指導は物件所有者にも行うと効果的だと思いますが、いかがでしょうか。

環境課長
トラブルが想定される場合につきましては、議員がおっしゃるとおり、物件所有者への指導を行うことで複合的な効果があると思います。

管理事業者に運営を委任されている場合で、緊急性を要するような対応につきましては、物件所有者が町内にいないことが多く、時間を要することも想定されますので、そういった場合につきましては、まずは管理事業者への指導を行いまして、その後、物件所有者へも指導を併せて行うことを検討してまいりたいというふうに考えております。

福本
事実上の民泊や短期宿泊の貸別荘は、簡易宿所として届け出ているケースがほとんどですが、フロントの設置義務、玄関帳場等の設置義務はありません。これがトラブルを助長している感がございます。

京都市では、旅館業施設における使用人等の駐在規定を設け、簡易宿所であっても、宿泊施設等までおおむね800メートル以内に、営業者または管理者が駐在する義務を、条例で規定しています。

繰り返しトラブルを引き起こしている民泊施設に対して、当町においても京都市のような決まりを設ける考えはありますか。

環境課長
玄関帳場等の設置規定及び使用人等の駐在規定につきましては、旅館業法及び住宅宿泊事業法の法令等の改正の際に、規制が緩和されたものでございます。

それまでは、簡易宿所営業の施設設備の基準としまして、適当な規模の玄関、玄関帳場またはフロント及びこれに類する設備を設けることとなっておりましたが、類する設備を設けることが望ましいと改正されました。

また、使用人の駐在規定は、緊急時に対応できる体制については、宿泊者の緊急を要する状況に対しその求めに応じて、通常おおむね10分程度で職員等が駆けつけることができる体制が望ましいこととされまして、この対応が可能な場合は、玄関帳場等を設ける必要がないと改正されました。

軽井沢町における簡易宿所営業の許可等は、長野県が行っておりますが、長野県の旅館業法施行条例では、簡易宿所営業における玄関帳場等の設置規定及び使用人等の駐在規定は設けられておりません。

しかしながら、当町におきましては、法令改正や県条例の施行後も、玄関帳場等を当該施設内に設置するよう指導を行うため、軽井沢町の自然保護対策要綱を、令和2年6月に一部改正しまして、宿泊施設は原則として当該施設内に玄関帳場またはフロントを設けることとし、簡易宿所であっても玄関帳場またはフロントの設置義務を課し、指導を行っております。

使用人等の駐在規定につきましては、許可権者である長野県は、通常おおむね10分程度で職員が駆けつけることができる体制を判断基準として許可をしております。議員がおっしゃります京都市では、簡易宿所営業については、おおむね10分以内に到着することを条例で規定した上で、明確化するために、京都市旅館業法の施行に関する要綱の中で、おおむね800メートル以内と規定を設けております。

当町におきましても同様に、自然保護対策要綱の中に、使用人等の駐在規定の基準を加えた改正を図るか、あるいは、練馬区では当該地及び隣接地においての完全常駐化を規定している例もございますので、これを自然保護対策要綱とするのか、あるいは条例化や規則での規制も見据えるかといった検討を行っております。

なお、トラブルを引き起こしている民泊施設に対してとのことでございますが、トラブルを起こしているか否かの判断が曖昧な部分がございますので、基準を設ける場合につきましては全施設を対象とすることとなると思います。

福本
現在でも、フロントについてはそれを設けるように指導しているということでしたけれども、実際にはその要綱が機能していないところが多いですよね。決まりをつくって安心というわけではありませんので、それがしっかりと守られているかどうかを担保するというようなアクションが求められているのかなと思いました。

また、さらなる改定について検討を行っているというご答弁でございましたので、そちらでどのような結論が出るのか見守っていきたいと思います。

ここで改めてなんですけれども、決まりは、つくって終わりではないんですよね。それをしっかり守られてこそ意味があるということでございますので、そこをどうやって守ってもらうのかということに関して、ご検討をさらに続けていただければなと思っております。

次の質問です。隣地の方々に事前協議で、個人の別荘だけれども、時折宿泊者も受け入れると説明をして、そういうことならということで同意をもらっておいて、実際に建物が完成したら民泊一辺倒というようなケースも確認しておりますけれども、事前協議の内容と実際の事業実態が異なる場合は、町としてはどのような対応を取るのでしょうか。また、用途変更に伴う隣地との協議がまとまらない場合はいかがでしょうか。

環境課長
環境課との手続条例に基づいた一般的な内容として、ご答弁をさせていただきたいと思います。
簡易宿所としての事前協議内容と実際の事業形態と異なっていた場合につきましては、実際の事業形態と整合が取れるよう、新たな事業概要の提出を求めております。

近隣への事業の説明に関しましては、その地域独自の慣習等を考慮いたしまして、良好な環境を確保するための相互扶助的な事前調整を行っていただくものでございます。

町が直接的には関与することは適当でないため、事業者と近隣の両者間との調整によるところになりますけれども、事前協議書の添付書類といたしまして、近隣説明経過報告書の提出を求めており、報告書を基に、協議内容及び状況を確認しております。

事業者と近隣の調整が不足している場合につきましては、引き続き調整を行うよう事業を指導しておりますし、冒頭、福本議員がおっしゃっていました民泊一辺倒につきましては、もし情報をいただきましたら、個人の貸別荘で民泊一辺倒となりますと、旅館業法に抵触する可能性がありますんで、そういった情報につきましては、町のほうでも情報いただければ関係機関に情報はつなぎ、調査をさせていただきたいと思います。

福本
今の案件に関しましては、簡易宿所で登録をしているということは確認できておりますので、課長がせっかくおっしゃっていただいた部分に関しては、そちらの方面、無許可営業という意味での指導はできないものと考えております。

今、お伺いしたこれは、民泊だけに限ったことではないですけれども、事前協議でうまくまとまらない場合について、過去にもいろいろな物議醸した案件ありますけれども、例えば先ほど言ったような流れで、当初の事前説明と異なる営業実態がある。そのことを町が認識して、その協議をしっかりするようにという指導が行われた。しかし、その協議がまとまらない場合、営業はやめないという場合はどういう対応をしますか。

環境課長
当然、協議がまとまらない内容にもよりますけれども、最後までうちのほうの指導としましては、最終的に確認するものは、近隣の説明計画書になりますけれども、事業者に対しましては、しっかりと近隣の方に説明するよう指導をしております。

福本
指導にかかわらず、是正されないというような場合には、管理事業者と所有者の氏名を公表するといった措置を速やかに実施すべきだと思いますけれども、いかがお考えですか。

環境課長
実際、許可に反するような内容でやっている場合につきましては、まずは指導、勧告をいたしまして、最終的には公表というような形で手続条例の中でやっておりますので、そういった形になるかと思います。

福本
住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法に基づく町内の届出は、発表されている最新の資料においては12件あります。町の決まりを破っているわけですけれども、この点をどのように考えるのか。そして、今までどのような対処をしてきたのか。また今後、どのように対処する方針なのか、伺います。

環境課長
これまでも申し上げましたとおり、当町におきましては、民泊施設等の取扱基準を定めて以降、民泊施設につきましては町内全域認めないという姿勢を一貫しておりますし、この12件につきましては、どうかと言われれば遺憾ではございます。

住宅宿泊事業法に基づく届出は、長野県が窓口となりますので、県に事前に届出の相談があった際には、届出の提出前に、軽井沢町に問い合わせるよう案内をいただき、直接届出者に、民泊施設等の取扱基準を説明しております。

しかしながら、これらの説明を無視し、県に届出が提出されてしまったものが、県の公式ホームページに公表されているものかと思います。

県としましては、届出が提出されてしまえば、受理せざるを得ないとのことではございますが、町としましては、法改正や県条例施行前から長野県に対しまして、町内全域で全ての期間、規制するよう強く要望してまいりましたので、民泊事業関連での住民からの苦情や意見が寄せられた際には、県に情報提供を行うとともに、届出窓口としての責任を持って、指導を行っていただくよう要請を行ってまいりたいと思います。

今後も同様に、県に情報を提供し、連携して対処してまいりますが、あまりにも改善されない場合につきましては、県条例や施行規則の改正につきましての働きかけも行ってまいりたいというふうに考えております。

福本
県に条例改正で、当町における民泊は認めないということを盛り込んでいただくのをお願いするということでよろしいですか。

環境課長
現在、まだこれをやったかというと、まだやっておりませんけれども、まずは管轄する佐久保健所の何か会う機会等におきまして、まずは話を、事前の話から徐々に今後の対応を考えていきたいというふうに考えております。

福本
事実上の民泊施設では、繰り返し問題を引き起こしている施設と問題が発生していない施設とあります。この違いを比較しますと、管理事業者の宿泊者に対する対応に違いがあります。問題が発生しない施設というのは、利用の際には必ず対面して、注意事項を口頭で伝えたりとかいうようなことを行っています。場合によっては供託金を預かって、近隣から苦情が出た場合、返却しないというような方針を示している事業所もおります。

一方、繰り返し問題を引き起こしている施設では、申込みもオンラインで、決裁もオンラインで行って、鍵を開けるための暗証番号もオンラインで伝えてと、非対面のまま取引が終了する、宿泊が終了するというような状況がありますが、対面を義務づけるようなお考えはありますか。

環境課長
この非対面という部分につきましては、国が簡易宿所に対して、帳簿は設けないという部分にも関係しまして、国のほうではコロナ禍を受けて、極力対面をしないというものもできた部分もあるかと思います。

町におきましては基本的には、簡易宿所になりますけれども、玄関帳場の部分をより強いものに改正を考えておりますので、そういった形で。

以上で時間切れとなりました。

以下はダイジェスト版です。

民泊事業者の把握は

問 町が定義した民泊以外にも、国交省が説明しているような、一般の住民が民泊から想起するサービスを提供する宿泊事業者、つまり、事実上の民泊事業者が多数存在するが、町は把握しているのか。
環境課長 把握していない。

町の決まりを破っている事業者対応は

問 民泊新法に基づく町内の届出は12件。決まりを破っているが、どのように対処するのか。
環境課長 住宅宿泊事業法に基づく届出は県が窓口。県に事前に届出の相談があった際には軽井沢町に問い合わせるよう案内をいただき、直接届出者に、民泊施設等の取扱基準を説明している。しかし説明を無視し県に届出が提出されている。県は届出が提出されれば受理せざるを得ない。今後も同様に、県と連携して対処したいが改善されない場合には県条例や施行規則の改正を働きかけたい。

フロント設置義務

問 事実上の民泊は簡易宿所として届け出ているのがほとんど。フロントの設置義務がないことがトラブルを助長しているが。
環境課長 使用人等の駐在規定の基準を加えた自然保護対策要綱あるいは条例化も見据えるかといった検討を行っている。

長野県が公表している住宅宿泊事業届出情報一覧(令和5年7月24日時点)
町の決まりを守らない12の届出が確認できる。

なお、写真には2番となりますが、現在の議席番号は5番です。