R5年1月18-19日、北佐久郡老人福祉施設組合議会の一員として長野広域連合と新潟市役所を視察させて頂きました。
養護老人ホーム佐久良荘を運営する北佐久郡老人福祉施設組合は佐久市 東御市 軽井沢町 御代田町 立科町で構成され、軽井沢町からは本稿作成時点で9名が入所しています。
経済的、あるいは精神的に在宅生活が困難な高齢者を養護し自立を支援する「養護老人ホーム」は、いわば人生最後のセーフティネットとして大切な存在です。ちなみに、似た名称の「特別養護老人ホーム」は、要介護3ー5の認定を受けた高齢者が介護や生活支援を受けて居住する施設となります。
新潟市では特別養護老人ホームと養護老人ホームをそれぞれ1施設、指定管理制度を経て令和4年4月より民間に移管しました。この流れは佐久良荘が検討しているものと同じです。佐久良荘は令和4年4月より指定管理者に社会福祉法人 望月悠玄福祉会を選任して指定管理制度に移行済みです。
新潟市の上述の施設の場合、土地は不動産鑑定を経て約8億円で売却、昭和50年代に建設された建物は無償譲渡されました。二施設の建物二つは同じ土地に立地していますが、民間移管後に民間の資金で建設される新しい建物はひとつで、両施設がひとつの建物に併存するということです。なお、約6億円と試算された建物の解体費用は新潟市が負担。
佐久良荘を民営化した場合に私が懸念するのは利用料金の上昇。社会福祉法人とはいえ民間組織ですから、入所者からいただける利用料金は高い方が経営面から望ましいでしょう。民営化後に利用料金がじわじわと上昇していくようでは、居場所を追われた高齢者が出かねません。新潟市の場合は、民間移管後に経営実態を調査する予定はないとのことでしたが、それでは利用料金が上がって支払いに窮する入所者がでても、市に相談が寄せられるまでは気が付かないということになりかねませんから、佐久良荘を将来民間移管した場合には、移管後も利用者の声を聴き、経営実態を調査する権限を保持する必要があると感じました。