令和元年第2回軽井沢町議会定例会6月会議にてはじめての一般質問に臨みました。3つのテーマに付き質問しましたが、本ページでは「遊休農地解消対策としての小規模そば畑の推進」の質問と行政からの答弁抜粋を掲載しています。
次に、遊休農地解消対策としての小規模そば畑の推進について質問させていただきます。
遊休農地対策としてソバの栽培は有効です。しかし、多くに当てはまりますけれども、遊休農地が狭い農地で点在する場合は、事業者が商業ベースで取り組むには難しい点もあろうかと思います。そのような点在する遊休農地を解消するために、ソバの栽培を希望する個人の活用が有効だと思いますけれども、施策は検討していらっしゃるでしょうか。
○議長(佐藤敏明君) 答弁願います。
中山観光経済課長。
〔観光経済課長 中山 茂君登壇〕
○観光経済課長(中山 茂君) お答えいたします。
ただいまのご質問にお答えする前に、町が取り組んできた遊休農地の解消のための取り組みを少し紹介させていただきたいと思います。
町では、平成11年度及び平成28年度に、ソバ用コンバインを購入し、ソバの作付を行っている農業者の刈り取り作業時間の短縮と労力の軽減を図るとともに、遊休農地の解消を推進してきているところでございます。また、平成29年度からは玄ソバ1キログラム当たり200円を補助するそば生産振興補助事業を実施しております。これまで平成29年度は49名の生産者から申請があり、作付面積1,327.2アール、生産量は7,927.5キログラムでございました。平成30年度は51名の生産者から申請があり、作付面積が1,451.7アール、生産量は8,183キログラムでございました。この1年間でソバの生産量が255.5キログラム増加しているほか、作付面積も124.5アール増加していることから、この補助事業は遊休農地の解消につながっているものと考えています。
また、遊休農地を解消するため、耕作ができない農地所有者と、農地を借りて経営規模を拡大したい営農者との間で、農地の賃貸借等をしていただく農地利用促進事業の利用権の設定促進につきましも、農業委員、農業委員会事務局と連携を図る中で進めているところでございます。
さらに、昨年度から馬取の山田圃場において、農地中間管理機構関連農地整備事業に着手をしております。現在、この圃場において飯綱町の業者が利用権設定してそばを栽培しているところでございますが、農地の水位が高く、ソバの収穫量が上がらない、こういったことを理由に令和2年3月末をもって土地所有者との賃貸借契約、いわゆる利用権を更新しないことが決定しております。この業者が撤退した後は、現在、農地を貸している地元の方が営農することに期待は持てず、こちらは約18ヘクタールの広さなんですけれども、これが遊休農地になってしまうことが懸念されました。
そこで、現状まとまった利用権設定を継続することが可能であるこの圃場に、農地中間管理機構関連農地整備事業を導入して、今後、客土、排水工事等を実施して、良好な圃場に生まれ変わらせることで、農地の遊休農地化を未然に防ぎたい、このように考えております。
さて、遊休農地を解消するため、ソバの栽培を希望する個人への活用でございますけれども、個人の方が農地を借りる場合には、農地法あるいは農業経営基盤強化促進法に基づく方法がございます。農地法の規定により許可を受ける場合は幾つかの要件がございます。
まず1点目として、全部効率利用要件というものがございます。これは農地の権利を取得しようとする者又はその世帯員が権利を有している農地、そして許可申請に係る農地の全てについて、機械あるいは労働力を適切に利用するための営農計画、資金計画、こういったものが必要で、効率的に利用して耕作の事業を行うと農業委員会に認めていただくことが必要です。
2点目として、農作業常時従事要件がございます。これは農地の権利を取得しようとする者又はその世帯員が、その後において行う耕作に必要な農作業に、原則として年間150日以上の期間従事すると、やはり農業委員会に認められることが必要です。
3点目として、下限面積要件がございます。これは権利取得後の経営農地面積の合計が50アール以上あることが必要でございます。また、農業経営基盤強化促進法に基づき、市町村に申請する方法もございます。この申請が提出された市町村は、農業委員会の決定を経て、農用地利用集積計画を定め、市町村が公告することにより効力が発生する利用権設定を行うことになります。この計画の要件といたしましても、やはり全部効率要件、農作業常時従事者要件、利用権を設定する土地について関係権利者全ての同意を受けていることを満たしている、こういった要件が必要となります。
このように遊休農地ではあっても、農家以外の個人の方が、ソバの作付のために農地を活用するには、国が定めている要件をクリアする必要がございます。
したがいまして、町として独自の政策を検討することは難しいもの、このように考えております。
以上です。
○議長(佐藤敏明君) 答弁が終わりました。
2番、福本 修議員。
〔2番 福本 修君登壇〕
○2番(福本 修君) 今伺いまして、ソバを栽培しようと思った際に、非常に多くの手続、許可、農業委員会の同意など、ハードルが高いなというふうに感じました。このハードルを何らかの形、あるいはサポートするような形で、手軽に個人の方が趣味の範囲でできるような道があるならば、遊休農地対策として有効なのではないかと思いますけれども、そのあたりの手続のサポートなどは考えていらっしゃるでしょうか。
○議長(佐藤敏明君) 答弁願います。
中山観光経済課長。
〔観光経済課長 中山 茂君登壇〕
○観光経済課長(中山 茂君) お答えいたします。
その手続の簡素化ですとか、手続のハードルを下げると言ったことは、幾ら町がやろうと思っても、法律で決まっていることですので、農業委員会の方とかけ合ったとしても、最低限の要件をクリアしてくださいということになるので、町が何らかの支援、サポートをすることも、ちょっと難しいものと考えております。
以上です。
○議長(佐藤敏明君) 答弁が終わりました。
2番、福本 修議員。
〔2番 福本 修君登壇〕
○2番(福本 修君) 法律で決まっていることのハードルを下げる云々というのは非常に困難で、事実上不可能だろうというのは理解しておりますけれども、今、初めて伺ったことも多いことを伺って、ちょっとメモした中ではちょっと消化しきれずに、一体どうやったらつくれるんだろうと。身近な例で言えば、地主さんと直接交渉して、そこを借りてソバをつくったみたいな人もいるわけですけれども、事はそんな簡単ではないんだということを今初めて知りましたけれども、そのあたり、法律のハードルを下げるとか、農業委員さんにかけ合うとか、そういうことではなくて、農業を手軽にやりたいという人がいたら、こういう手続が必要ですと今おっしゃっていただいたようなことを、例えばホームページ上で公開していただくとか、あるいは農業委員さんの連絡先、一般の方は知らない方も多いと思いますので、どのように農業委員さんに連絡をすればいいのかとか、その辺のサポートという意味で、先ほどちょっと言葉足りませんでしたけれども、何というんですか、導入部分というんですか、手続の農業を始めるに当たっての、そういう意味でのサポートに関してはどうでしょうか。
○議長(佐藤敏明君) 答弁願います。
中山観光経済課長。
〔観光経済課長 中山 茂君登壇〕
○観光経済課長(中山 茂君) お答えいたします。
そうですね、そういった手続、要件をクリアするには、こういった書類をそろえてください、こういった農業委員会の許可が必要ですということは、既にたしかもう広報のほうでも掲載してございますし、ホームページ上では、ちょっと載せていないかもしれませんが、こういった手続を踏んでいただくことになりますという流れのようなものはホームページ上でも公開して、より広く周知してまいりたい、このように考えております。
以上です。
○議長(佐藤敏明君) 答弁が終わりました。
2番、福本 修議員。
〔2番 福本 修君登壇〕
○2番(福本 修君) それでは、ホームページ上を通じた告知などもお願いできれば幸いでございます。
仮にソバを栽培する段階まで至った個人が出た場合、意欲を持っているけれども、仮にソバができたとしても、それを磨きだの製粉だのという手段がないために断念しているケースもあると聞いております。発地市庭には刈り取ったソバの製粉までできる一連の器具がそろっていると伺っておりますけれども、これを個人のソバ栽培家が利用することは可能でしょうか。
○議長(佐藤敏明君) 答弁願います。
中山観光経済課長。
〔観光経済課長 中山 茂君登壇〕
○観光経済課長(中山 茂君) お答えいたします。
現在、発地市庭で製粉しているのは、軽井沢にそば生産振興組合というものがございまして、その、そば生産振興組合のほうに加入されている方が利用されている状況でございます。
個人の方が利用できるかというのは、すみません、ちょっと把握していないんですけれども、そのそば生産振興組合に入会というか、入っていただいて、いろんなそばのつくり方のノウハウ等を伝授してもらう、あるいは何かの悩みを聞いてもらったりという、そういったネットワークの中に入っていただくことも大きな1つの手段ではないかと考えております。
以上です。
○議長(佐藤敏明君) 答弁が終わりました。
2番、福本 修議員。
〔2番 福本 修君登壇〕
○2番(福本 修君) 私が理解しているところでは、軽井沢そば振興組合に加入して、軽井沢町そば生産振興補助金なども受け取ったりをしながらソバを生産した場合は、これは全量買い取りになるんではないかと理解しているんですけれども、個人で栽培した方は、それをお金にしたいわけではなくて、自家消費したいとか、そういうニーズも高いわけです。あるいはお店をやっている方でしたら、お店で提供するとか。
ですから、質問といたしましては、軽井沢そば生産振興組合に加入した場合、それは買い取りでなくても、自分のそばを持ち帰るようなことも可能なんでしょうか。
○議長(佐藤敏明君) 答弁願います。
中山観光経済課長。
〔観光経済課長 中山 茂君登壇〕
○観光経済課長(中山 茂君) お答えいたします。
確かにそば生産振興組合は、全量買い取りでやっていただいていますけれども、そばをつくって、売る売らない、自家消費に使う、あるいは売ってちょっともうけるということは、それは個人の自由だと思いますので、それはそばをつくれる段階まで来て、少量のそばをつくって、自分のうちで召し上がっていただくということは可能だと考えております。
○議長(佐藤敏明君) 答弁が終わりました。
2番、福本 修議員。
〔2番 福本 修君登壇〕
○2番(福本 修君) それでは、今のご答弁によりますと、個人でソバを栽培した方が、それを製粉までしたいと思ったならば、軽井沢そば生産振興組合に加入をして、そして発地市庭の施設などを利用してということになるんでしょうけれども、自家栽培したそばを持ち帰ること、製粉なら製粉をして持ち帰ることができるということでよろしいですね。
○議長(佐藤敏明君) 答弁願います。
中山観光経済課長。
〔観光経済課長 中山 茂君登壇〕
○観光経済課長(中山 茂君) お答えいたします。
現在、発地市庭のそばの製粉を利用できるのは、やはり個人ではなくて、軽井沢そば生産振興組合に加入されている方が利用できるという形になっております。
以上です。
○議長(佐藤敏明君) 答弁が終わりました。
2番、福本 修議員。
〔2番 福本 修君登壇〕
○2番(福本 修君) 私が今質問しましたのは、個人の人が軽井沢そば振興組合に加盟した場合の話をしておりますが、その場合はいかがでしょうか。
○議長(佐藤敏明君) 答弁願います。
中山観光経済課長。
〔観光経済課長 中山 茂君登壇〕
○観光経済課長(中山 茂君) お答えいたします。
失礼いたしました。そば生産振興組合に加入して製粉していただいて、自分のうちに持ち帰って召し上がることは可能でございます。
以上です。
○議長(佐藤敏明君) 答弁が終わりました。
2番、福本 修議員。
〔2番 福本 修君登壇〕
○2番(福本 修君) 了解いたしました。そういうことでしたならば、個人の栽培をしてみようという人の意欲も湧くんではないかと思いますので、あと、その振興組合に加入する要件とかが、もしハードルが高ければ、ちょっと話は別かもしれませんけれども、今は質問しません。
いずれにしろ遊休地対策は深刻な問題でございます。私の周りを見ましても、現在、農業に携わっていらっしゃる方、かなり高齢化が進んでおります。この方たちが農業ができなくなってしまったら、ご子息たちは皆、会社員をやっている方がほとんどですので、まさにかなりの農地が遊休農地としてどんどん増えてしまうんではないかと思いますので、その点のことをご考慮いただきまして、さらなる対策を進めていただければ幸いでございます。
以上で私の質問を終わります。
○議長(佐藤敏明君) 以上をもちまして、2番、福本 修議員の一般質問を終了といたします。