令和6年12月会議で一般質問しました。内容は以下の通りです。
森林生態維持に不可欠なニホンジカの駆除方針について
第6次長期振興計画では、農作物の被害や森林生態への影響が大きいとして、引き続きニホンジカなどの有害鳥獣駆除を行うとしている。農作物が食べられてしまうというのは分かりやすい被害だが、目に見えにくい被害としては、希少植物や下草、樹木の若葉を食べ尽くすことで発生する森林環境の衰退などを挙げることができる。
ニホンジカの駆逐がうまく進んでいるかというと、有害鳥獣駆除に実績のあったベテラン猟師の引退により捕獲数が減少するといった状況がある。そこで、今後のニホンジカの駆逐方針等について伺う。
(1)今後の捕獲頭数の見通しは。
環境課長答弁: ニホンジカに関しては、過去の捕獲数を基本に、令和4年度に策定した鳥獣被害防止計画では、年間770頭の捕獲頭数としていましたが、その後、多数を捕獲していた猟友会員の退会などにより不可能な状況となっております。現在のこの計画数を捕獲していただきたいところではありますけれども、現在の猟友会員の状況を考えれば、年間400頭から500頭かと思われます。
(2)現在は林道の近くでのみ捕獲が行われているが、林道から離れた林の中や高標高域での鹿の被害が増加している。また賢い鹿が増加して罠の存在に気づき、捕獲数が減少している。高度な技術を持った人材や専門業者への委託が必要ではないか
環境課長答弁: 浅間山麓の高山植物を監視している方より、標高1,500メートル以上でも食害が広がっていると伺っております。また、ニホンジカに詳しい専門家や猟友会員の方からも、わなの存在に気づく、先ほど福本議員がおっしゃっていました賢い鹿、俗にスレジカと言われておりますが、そういった状況も伺っております。
令和7年度に、ニホンジカの生息状況調査とともに、効果的な捕獲場所の選定や銃器を使用した捕獲方法を含めての検討を予定しております。過去にも専門人材を登用しての駆除活動を行ったこともあり、猟友会との良好な関係を保った上で、専門家あるいは団体への委託を検討したいというふうに考えております。
(3)令和5年度の決算審査の答弁で「今後シカ対策を重点的にやっていきたい」とのことだったが、具体策は。
環境課長答弁: 9月27日に、国、県機関を交え、野生鳥獣対策に関する会議が開催されました。この席上で、当町から県主導による広域連携での捕獲体制構築について訴えるとともに、銃器を使用した捕獲と高標高域にいるニホンジカを標高の低いほうへ下ろし、わなでの捕獲との併用を提案させていただきました。銃器使用に関しましては、北海道での猟銃使用に係る裁判事例などもありますので、絶対的な安全が必要となりますので、猟友会員の中にも優秀なハンターがおりますので連携し、捕獲圧を高めたいというふうに考えております。
公共交通ネットワークのビジョンについて
だれもが使いやすい公共交通の整備は、特に児童、生徒、高齢者にとって非常に重要なことは明らかだが、実現できていない。そこで、今後どのようなステップを踏んで皆が満足できる公共交通ネットワークを形成するのかを伺う。
(1)よぶのる軽井沢事業を通じて、どのような知見を得て、どのように活かすことができるのか。
(2)観光シーズンの渋滞問題を抱える当町としては、デマンド交通本格導入に際して、町内のどこまでもノンストップで運行するよりも、町内を2つ、あるいは3つのゾーンに分けて、かつ鉄道との乗り継ぎを組み合わせることが望ましいが、町の考えは。
(3)町内循環バスの効率的な運行のために、どのようなデータを活用しているのか。
(4)軽井沢中学校生徒の自転車通学時の事故が継続的に発生しており、バス通学を望む生徒・保護者は多いものの、待ち時間が長くなることから自転車での通学を選択せざるを得ない実情がある。そのような事情は承知しているのか。また今後どのように改善していく方針であるのか。
(5)より良い公共交通ネットワーク実現のビジョンについて、具体的なタイムスケジュールとともに伺う。
「森林生態維持に不可欠なニホンジカの駆除方針について」の質問は、R4年度に770頭の捕獲目標が立てられましたが、実績は半数以下にとどまっていることが背景。生態系への影響や農作物被害以外にも、人名に関わりかねない車との衝突事故も懸念されています。環境課からは今後の積極的なシカ対策の実施という答弁がありました。
「公共交通ネットワークのビジョンについて」の質問は、R6,R7年度に軽井沢町地域公共交通計画を策定している中で、上述の質問事項について重々配慮する必要があることから。公共交通計画においては単なる移動手段の計画にとどまれず、まちづくりという視点も忘れないように質問を通じて釘をさした。これは、デマンド交通実施の際はゾーンに分けての運行が当町に適しているというのが私の持論だが、中軽井沢駅と信濃追分駅をハブにして、デマンドタクシーとしなの鉄道を乗り継ぐことで、駅周辺のにぎわいにもつながるから。